太田母斑を液体窒素圧抵療法で治療していた時代を経験した者としては、Qスイッチレーザーの出現は正に衝撃的なものでした。皮膚治療の分野におけるこれ程の変革を、今後自分が皮膚科臨床医を続けている間に再び経験することは恐らくないだろうと思います。 |
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普通にシミといわれるものの中には、幾つかの種類がありますのでまずは正確な「シミ」の診断が必要になります。レーザー治療が有効な「シミ」は、老人性色素斑、雀卵斑、太田母斑・両側性太田母斑様色素斑などです。ちなみに、中高年女性の頬にできるボーとしたくすみのようなシミ(肝斑)の治療にレーザーは不適、あるいは禁忌とも考えられています。 |
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ホクロの場合も、まずは「ホクロ」の正確な診断が求められることになります。ダーモスコピーという「ルーペの親分」みたいなものでよく調べて、なおも必要があればダーマフォトと呼ばれる拡大レンズ付きデジタルカメラで撮影しパソコン上に取り込んで画像解析を行います。少しでも疑問がある場合はメスによる切除の上、組織検査を行うか、皮膚腫瘍の治療に実績のある基幹病院に紹介させていただきます。臨床的に特に問題がないと認められた場合、径6-7mm位までのものであればレーザー治療の適応となります。又、それより幾分大型のものであっても時期をずらした分割照射を取り入れることによりレーザーによる治療が可能となります。 |
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レーザーにより皮膚の若返りをめざすもので、皮膚の「はり」や「ふっくら感」を取り戻すことを目的とすると考えていただいて宜しいかと思います。ある程度の年齢になると皮膚の深い部分(真皮)にある膠原線維の量が減少し皮膚のはりきった感じがなくなってくるものです。皮膚のその部分にレーザーを照射することにより人工的に微細な障害を与え、傷の修復機序を利用して膠原線維の量を取り戻すことを狙ったものです。 |
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現在のレーザー脱毛は脱毛効果の確実さ、皮膚への安全性ともに十分なレベルに達していると考えて良いと思います。一歩踏み込まれて「永久脱毛なのですか?」と問われた場合は「日本でのレーザー脱毛の歴史が高々10年なので、その証明にはもう少し時間がかかります。」と言わざるを得ません。しかし「レーザー脱毛後に毛周期を越える期間で終毛(太い毛)の数が著しく減少している状態が持続する」とした永久減毛(permanent hair loss)の可能性は、現在の時点においてもかなり高いと考えられています。 |
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